3.10.6. 標準組織と公開設定¶
「標準組織」および「公開設定」について説明します。
3.10.6.1. 標準組織¶
ワークフローは特定の組織セットで動作します。その動作の基準となる組織セットを「標準組織」といいます。「標準組織」を設定しない場合、各会社における初期状態組織セットが採用されます。初期状態組織セット「以外」の組織セットでワークフローを運用したい場合は、対象の組織セットを「標準組織」に設定してください。「標準組織」はフロー定義に対して設定可能です。設定できる組織セットは会社ごとにひとつです。「標準組織」に任意の組織セットを設定した場合、ワークフローでは次の制御が実行されます。
- 標準処理画面(処理モーダル)からの「処理対象者」および「確認対象者」の検索時に選択可能な IM-Workflow 標準プラグインのうち、組織セットによる絞り込み条件が効かない下記のプラグイン(および検索タブ)は無効扱いとなり選択不可です。
- 無効化されるプラグイン
- ロール
- パブリックグループ
- 役割
- パブリックグループ+役割
- パブリックグループ+ロール
- 一部機能が無効化されるプラグイン(注釈なしのタブは有効)
- ユーザ
- キーワード
- 会社組織(キーワード)
- 会社組織(ツリー)
- [無効] パブリックグループ(キーワード)
- [無効] パブリックグループ(ツリー)
- 標準処理画面(処理モーダル)からの「処理対象者」および「確認対象者」の検索時、 IM-Workflow 標準プラグイン上での組織名は組織セット名を含めた階層構造で表示されます
- 「検索画面の組織セット表示設定」の設定の有無や設定値を問わず上記動作が優先されます
標準処理画面(処理モーダル)からの「処理対象者」および「確認対象者」の検索結果が「標準組織」配下の情報のみに制限されます
標準処理画面(処理モーダル)で選択する「担当組織」が「標準組織」配下の情報のみに制限されます
コラム
組織セットとは、IM-共通マスタにおいて複数の組織をグループ化する概念です。組織セットの詳細については「IM-共通マスタ 仕様書」を参照してください。コラム
「標準組織」設定の有効化および無効化はテナント単位設定「標準組織の設定」によって制御できます。
コラム
組織セットの概念を IM-Workflow に適用するための機能としては、「標準組織」のほかに「検索画面の組織セット表示設定」があります。
この設定を有効化することで、管理者によるルート定義設定時に任意の組織セット配下の組織をノードの対象者として設定できます。 これによって「初期状態組織セット「以外」の組織セット配下組織所属のユーザが案件を処理する」といったフローを設定できます。ただし、案件の処理対象者が実際の案件処理の際に動的承認ノードや横・縦配置ノードの処理対象者、および確認ノードの確認対象者を検索・設定する際は、初期状態組織セット「以外」の組織を検索・設定できず、ルート定義の対象者設定との間で齟齬が生じてしまいます。また、案件処理時の「担当組織」についても初期状態組織セット「以外」の組織を選択できないケースがあります。この課題は「標準組織」を設定することで解消できます。
3.10.6.2. 公開設定¶
「公開設定」とは、「標準組織」の適用範囲をフロー内でさらに局所化する機能です。フロー全体の共通設定である「標準組織」として設定した組織セットそれぞれに対し、下記種類のノードごとに「許可(有効化)」するか「不許可(無効化)」するか設定できます。
- 動的承認ノード
- 横配置ノード
- 縦配置ノード
標準処理画面(処理モーダル)では「公開設定」に従い、設定可能な処理対象者と担当組織が制限されます。また、「公開設定」機能を利用することで、「AノードはA社のユーザのみ、そしてBノードはB社のユーザのみが処理可能とする」といった複数会社間でのやりとりを実現できます。上述の例を「公開設定」で実現するにはマスタ定義を次のように設定してください。
- フロー定義の「標準組織」には次の組織セットを設定する
- A社の組織セット
- B社の組織セット
Aノードの「公開設定」にはA社の組織セットのみ「許可」を設定する
Bノードの「公開設定」にはB社の組織セットのみ「許可」を設定する
「公開設定」は「標準組織」の付属設定です。そのため、「公開設定」を利用するには「標準組織」の事前設定が必要です。
コラム
「標準組織」設定直後は、すべてのノードの「公開設定」は「許可」の状態です。